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『落窪物語大成』中村秋香

落窪物語大成


中邨秋香 著
明治三十三年序
明治三十四年版と大正十二年版あり(大正十二年版は昭和六十三年復刊あり)
四冊
電子図書: 近代デジタルライブラリー

落窪物語の注釈書。
著者、落窪物語を評して曰く

殊に文章のつよくをゝしくて餘情限りなく、文脈正しくて照應明かに、簡古にして細かに人情を穿てるなど、はるかに他の草紙物がたりにこえて、いとゝゝめでたくいみじきものなるを、いかなれば古くより世にはもてすさめられざりけん。

と、他の作品に比べ、教科書にも採用されず読む人もゐないが、実は他の物語に劣らない、すぐれた作品であるとしてゐる。
この作品の文体の特徴を述べて曰く

源氏物語枕草紙は詞なだらかに姿花やかにしていとうるはしき文なれば、古來世にあまねくもてはやすものなれども、文脈正しく照應細やかにしてつよくをゝしくしかも言外に限りなき意味を含ましめたる上におきては、此物語に超ゆるものあるべからず。云々

文章が整然としてゐて、これを参考すれば作文においても優れて益のあるものとしてゐる。
本文は著者の随意で校訂されてゐて未しくはあるが、注釈の態度としては、初学者向けに俗語訳や傍注を付したり、文に書かれてゐない余意を示したり、また頭注に先行者の説を挙げ著者自身の説も述べなどし、詳しい解釈や例証をも施してゐる。この注釈の特徴は、言外の意や文章の構造を明示に力が入れられてをり、また意味の読み取り難い文においては、俗語訳や大意などが示してある点で、大変読みやすいものになつてゐる。
たゞ、俗語訳は、明治の俗語なので、平成の我々には却つて少し意味がわからない所が多い。しかし、翻つて、そこに着目してみると、当時の俗語やことわざといふのが窺へて、面白い点でもある。

明治三十四年発行の版と、大正十二年発行の版があるが、大正のは明治の版の誤植などが校正されてゐるやうである。
近年では昭和六十三年にパルトス社から一冊にして復刊されたものがあつて、これは大正十二年の版をとつてゐる。

参考:古い文献から:池田亀鑑・落窪物語大成・新潮文学大辞典 - livedoor Blog(ブログ)

落窪物語大成2(版面)

落窪物語大成1(表紙)
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プロフィール

平 春明

Author:平 春明
住まひは神奈川県鎌倉市。東京の渋谷の丘で国文学の勉強をしてゐる学生、はるあきらです。なにくれと勉強した事や、面白かつた事などをかきつらねていきます!
普段から歴史的仮名遣ひですので、こゝでも歴史的仮名遣ひです。
主に、国文学、国語学、日本数学、その他諸々、気に入つた物を紹介していきたいと思ひます。

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