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『日本文典唱歌』大和田建樹

原本の写真は近代デジタルライブラリーにある。(http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/855676
ただし序のページが抜け落ちてゐるやうである。

「汽笛一聲新橋を 早わが汽車は離れたり 愛宕の山に入り殘る 月を旅路の友として」といふ歌ひ出しの鉄道唱歌で知られる大和田建樹であるが、彼は明治初期の国文学者で、歌をよくのこし、また様々な唱歌の作詞をして親しまれてきた。
「日本文典唱歌」は、その大和田建樹が、七五調の歌によって国文法を習得するための便として作つたものである。諳記を歌によつて覚えやすくするといふ方法は古くからあり、かつては数学の公式さへ和歌にして詠まれたことがある。鉄道唱歌もまた、地理教育といふ文字を名に冠して流布されたものである。
作曲は、「夏は来ぬ」(佐佐木信綱)や「菅公の歌」(中邨秋香)の小山作之助で、他の大和田建樹の歌の作曲にも多く担当してゐる。

この唱歌の文典は、おほかた大槻文彦の文法によつてゐるやうである。今の我々の用ゐる文法とは用語や説明などのちがふものがあるのに注意されたい。
全体的にはなにとなく散漫で覚え憎い心地もするが、面白い所は、文章の調子が口や耳に心地よく、それでゐて文法の一括した説明となり得てゐる所で、かやうな所に、大和田建樹の才能がよく現れてゐると感心する。たとへば、副助詞「すら」「だに」「さへ」の説明には

七二 「鳥すら藝はあるものを」「おもふ心の一つだに 成らば錦の花をさへ 添へんとまでは願ふまじ」


また願望の終助詞では

八一 「ゆきてみてしが梅の花」 「訪ふ人もがな我庵」 「翔りてしがな」「翼もが」 「われに貸すべき鳥もがも」


かやうな調子である。

以下に全文を写す。たゞし、ふりがなや圏点は已むを得ず施さなかつた。

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プロフィール

平 春明

Author:平 春明
住まひは神奈川県鎌倉市。東京の渋谷の丘で国文学の勉強をしてゐる学生、はるあきらです。なにくれと勉強した事や、面白かつた事などをかきつらねていきます!
普段から歴史的仮名遣ひですので、こゝでも歴史的仮名遣ひです。
主に、国文学、国語学、日本数学、その他諸々、気に入つた物を紹介していきたいと思ひます。

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