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『雅言成法』鹿持雅澄(語学)

雅言成法
鹿持雅澄 著
天保六年 跋
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ho02/ho02_00392/index.html(早稲田大学古典籍総合データベース) ←書物の写真をpdf形式に綴ぢてあつて、端末で読めます

 鹿持雅澄は土佐の人。幼少期、学問を好むことが無く、父母共にこれを甚だ憂へたが、十七八歳の時、心に感ずる所あつて、発憤、学業に入念し、漢学また国学を学ぶ。これといつた師を持たず、殆ど独学を以つて長じた。門閥に属してゐないので学校などの教授職へも付くやうな話も無く、片ゐなかで貧乏な暮らしをしつゝ、勉学に励んだ。生活は細々としたものであつたが、賀茂真淵以来の国学の精神の柱である、古への道を明かにするといふ偉大な志を抱き、特に萬葉集の研究に力を尽して、遂に『萬葉集古義』百五十二巻を著はして従来の萬葉集研究を集大成した。その歿後、門人たちのはたらきかけにより、御維新後に明治天皇の勅によつて宮内省から出版された。古事記に本居宣長の『古事記傳』あり、萬葉集に鹿持雅澄の『萬葉集古義』あり。大学者であつた。(参考『慶長以來 國學者史傳』)

 さて、この『雅言成法』は、翁の萬葉集研究の大事業の内の一つの成果である。雅言といふのは、また雅語ともいひ、主に平安朝の文語を指していふ。たとへば源氏や枕草子、古今集などの言葉づかひがさうである。それに対して奈良朝以前の萬葉集や祝詞・宣命などの言葉遣ひをば古語とか古言といつた。『雅言成法』とはあるが、古言の研究書といつてよいと思ふ。おそらく、古言によつて雅語の成り立ちを明かにしたといふ事であらう。
とにかく、萬葉集に見える古言の文法・語法について研究したものである。ひとつひとつの語の意義を明かにするために語源を考へるといふことは今でも世に行はれる所だが、序文において、雅澄翁は「転音」だとか「反切」だとかいつた、従来の根據のない語源説のやり方を批判し、言語の法則に基づいた実証的な語の研究を提唱してゐる。それに基づいて、本論では萬葉集中の古言の法則を明かにして一々その例を挙げて実証する。目録によつてその内容の一部を次に示す。
 ○仮略……語の中にアイウエオの音があるとき、それが省かれる法則。「あさあけ」が「あさけ」となり、「ながあめ」が「ながめ」となる類。
 ○非略……語の省略に似て非なるもの。「やへ(弥重)」「やしほ(弥入)」の「や」(イヤの約まつてヤとなつたやうに見えるがもとからヤといふのだらうといふ)、「みやじ(宮主)」「とじ(戸主)」の「し」(ヌシのが約つてシとなつたやうに見えるが、さうではないだらうといふ)、ほかに「まけ(設)」と「まうけ」、「おろか」と「おほろか」、「うしほ」「うなはら」の「う」と「うみ」など。
 ○訛略……音便で訛つたのが定着してできたもの。「では(出羽)」「でゐ(出居)」は「いでは」「いでゐ」の訛り、「ば(場)」といふ語は「には(庭)」の訛り、の類。
 ○相通……音の近いものにうつりかはつたもの。「たづき(便)」と「たどき」、「さねかづら」と「さなかづら」、「かなしむ(悲)」と「かなしぶ」など。
 ○転換……語勢によつてうつりかはる。「あめ(天)」が「あまのはら」「あまぐも」と「あま」になつたり、「かみ」が「かむろぎ」「かむながら」など「かむ」になる類。
下巻
 ○転訛……転換のほかの訛り。いはゆる音便。「きさき(后)」「つきたち(朔)」を「きさい」「ついたち」といひ、「かぐはし(馨)」を「かうばし」いひ、「とほく(遠)」を「とほう」といふ類。
などなど。またほかに「のる(告)」を「のらす」「のらふ」、「とほ(遠)」を「とほみ」といふ類ひの意義の微妙な変化などをといてゐる。
それと、いろいろと先学の誤つた学説を批判もしてゐるのだが、それが痛快で読んでゐて面白い。「語源を解くのになんでもかんでも反切で同じ語だといふのは、をかしい。その法則に当てはめたら「よし(吉)」は反切にすれば「イ」となり、「あし(凶)」も反切で「イ」になつて、同じ言葉になるぞ。」「語の音が省かれるのは、歌は音が五七で定まつてゐるからそれにはめるためだといふ説はをかしい。それだつたら、古い歌に四音三音などの句があるのはをかしいぢやないか」といふやうな調子である。
つまり、翁は、当て推量でまかりとほつてゐる世俗の語源学を排除して、全く法則立てによつて言霊の奥妙を究明しようとしてゐるのである。
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みなのせがは はしがき

これは、神奈川の縣、鎌倉市に住まふ学生にて侍り。春明(はるあきら)となむ申し侍る。
おのが物まなびのあとを記し置かんとて、つれゞゝなるまゝに、そこはかとなく、これをもかれをも記すなり。
いまは澁谷の丘に立てる大学になむ通ひ侍る。よろしく知りおきてよかし。

はじめまして。神奈川県に住む学生、春明(はるあきら)です!(仮名)自分の勉強のあとを、つれゞゝと記していきます!渋谷の丘の大学に通つてゐます。日本文学が専攻ですが、色々やります(笑)どうぞよろしくお願ひします。主に近世国学の事を書き記して行きたいと思ひます。いつまでつゞくかわかりやしませんが……
プロフィール

平 春明

Author:平 春明
住まひは神奈川県鎌倉市。東京の渋谷の丘で国文学の勉強をしてゐる学生、はるあきらです。なにくれと勉強した事や、面白かつた事などをかきつらねていきます!
普段から歴史的仮名遣ひですので、こゝでも歴史的仮名遣ひです。
主に、国文学、国語学、日本数学、その他諸々、気に入つた物を紹介していきたいと思ひます。

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